ヤクビョウ神†天使の微笑み†
『あそこ、とても強い霊力を感じる。
 きっと何かあるわ』

「でも、これ以上の深追いはやめとこう」

『え、どうして?』

「ほら、あそこ・・・」

 刹那が指差す方向には、何かの小さなほこらがあった。



 中には卵のような形の石が置かれており、何やら“呪符(紙切れに霊力を封じ込めたもの)”がたくさん張られているではないか。

『あれって、“人魔避け(人と霊を近づけない呪符)”?』

「たぶん。
 俺のお守りもここまでが限界みたいだ」

 刹那の首には、チェーンで繋がっている青色の水晶玉付きの指輪が掛けられていた。

 鈍く輝くそれは、小刻みに振動し、2人がこれ以上進むのに対して警告しているかのようだった。
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