ヤクビョウ神†天使の微笑み†
 どうやら目の前にいる刹那の足元にあるはずのボールがその子には見えていないようだ。



『刹那、これって・・・』

「ああ。
 ここにも“結界”がはってある」

 そう言うと刹那はボールを持ち上げて一歩前に踏み出し、砂利道から子供の横に立つと、子供は驚いて振り向いた。

「うわっ!
 お、お兄ちゃんいつの間に!?」

 やっぱり気付いていなかったようだ。

「あ!
 それ僕のボール!
 お兄ちゃんが見つけてくれたんだ!」

「はい、ボール」

「ありがとう、お兄ちゃん!」

 子供はボールを受け取ると、一緒に遊んでいた子供たちの所へ戻っていった。



『ますます怪しいわね。
 やっぱり怜華さんに知らせた方が良いわよ』
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