ヤクビョウ神†天使の微笑み†

　先ほどから刹那は、カメラのシャッターボタンを何度も押してはいるが、シャッターがきれないでいた。



『このゴーストたちの仕業？』

「だろうね・・・
　でも、こんなのはちょっとおかしすぎる」

　刹那が恐る恐る、川に一歩ずつ歩み寄りながら言う。



「たいていのゴーストは周囲の生物から霊力を吸い取ってスピリットを維持してる訳だろ？
　なのに、ここのゴーストたちは霊力を十分蓄えてる。
　こんなにたくさん居るのに対して、あまりにも霊力の吸収源が少ないこの場所で存在できてるなんて不思議だと思わないか？」

　左手を腰に当て、右手であごを撫でながらそう説明する。



『言われてみれば、そうよね。
　霊力者がいる訳でもないのに、一体どうやってスピリットを維持してるのかな？』