ヤクビョウ神†天使の微笑み†
 2人が立っている場所は、朝来た川沿いの土手の上だ。



 視線の先には、静かに流れ行く川があって、その上空にふわふわと漂ういくつもの霊魂(スピリット)があった。

 それらは青い色をしており、数は十数体、いや、数十体になるだろう。



「雫、あれって、魚だよな?
 魚のゴーストに見えるんだけど・・・」

『うん、間違いないわ。
 魚のゴーストよ。
 でも何でまた、こんなにたくさん・・・』

 大きさは大小様々だが、どれも川魚であることには間違いないだろう。

 まるで、川から上がってこれないかのように川の上空だけを泳いでいて、2人のことをたまに睨んでくるのだ。



『とりあえず写真を・・・』

「さっきからやってるんだけどさ、シャッターがきれないんだ。
 どうやら強い霊力が働いてるみたいで・・・」
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