元気あげます!巴里編
「い、いえ。裕文様のご都合のいいだけ居てもらってかまわないですけど・・・」
「けど・・・?執事もしてほしいみたいな・・・?」
「あ、そんなことは・・・!帰宅後すぐ寝たりしちゃうから、私・・・。休日も寝坊しちゃったりして・・・きちんとおもてなしできないって言おうとしたんですぅ。!」
「ああ、そんなの気にしないで。
琴美さんに君の日常の話は聞いたし、僕も帰りはけっこう遅いから。
で、それはそうと、パティシエの修行してる場所ってひかる以外に女性が誰もいないって本当かい?」
「ええ。そもそも弟子が私をいれて5人しかいないし。」
「なっ・・・先生もみんな男?」
「はい。最初は女だからってまともに教えてもらえないかと思ったけど、今はみんな親切にしてくれてますよ。」
「そりゃ・・・((千裕は何を考えてるんだ!いくら腕がいいとか優秀だからって狼の中に子羊を投げ込むようなことしやがって。))
ちなみに、全員の中で既婚者の人って何人いるのかな?」
「えと・・・チーフと兄弟子のティエリさんの2人だけですけど。」
「ふ、ふたりだけ・・・?」
「心配してくれているんですか?大丈夫ですよ。
工房で働いているときはみんな、真剣に作業してますし、これもあるしね。」
ひかるは千裕にもらった婚約指輪を裕文に見せました。
「あ、ああ。なるべく指輪はしておいた方がいいね。」
「どうしたんですか?なんか様子が・・・」
「いや、外人の男は手が早いから気をつけた方がいいなと思っただけ。はは・・・。
僕はそろそろ部屋にもどって寝るから、おやすみ・・・」
千裕の話題になりかけた途端に裕文はそそくさと部屋にもどってしまいました。