元気あげます!巴里編
「会社はユウヤさんのお父さんである社長さんに、こんなバカなことやめてっていえばわかってくれないのかしら?」


「ぉ!おぉぉぉぉぉぉ!!!そうだよ。
会社は社長命令で動くもんだ・・・。」


裕樹と千裕はひたすら、感心しながら幸恵の方を見ていました。




ひかるは、吉岡の名前で送信されてきた千裕のメールで、幸恵のするどさを知りました。

「さすが幸恵さん。あははっ。」


しかし、ひかるはユウヤのことを調べていくうちに、放っておけない人だとも思っていました。

ユウヤの両親はユウヤの弟が2才の頃に離婚し、子どもは父親がひきとったのでした。
離婚原因も母親の浮気発覚が原因で、ユウヤは女性に対して、信用ならないものという印象を持って育ったようでした。

しかし、真面目に仕事を続ける父親に似て、品行方正で勉学にスポーツにとまっすぐに育ったユウヤはいくつかのいじめや妬みにもくじけることなく、エリートの道を進み始めました。


女性関係はというと、周りから多く接触はあるものの、ユウヤの他人を見るときの目の鋭さや、仕事以外の部分でのぶっきらぼうさが目立って、長くお付き合いできる女性にはめぐり会えていないということも・・・。



いろいろ考えていても気が滅入るような気がして、ひかるはホテル内のお店を見に行きました。
お土産やブランド品など、品ぞろえが多く、店内もアロマオイルの香りがするおしゃれなつくりでした。

すると、後ろから肩をポンとたたく人がいました。


「あ?カールさん・・・。どうしてここに?」

「もう、そんなこと聞かないでよ。一流ホテルのロビーでといえば・・・ほら、デートじゃない。」


「でっ、デートなんだぁ!」


「もう、大きな声あげないでって。ほら、私の相手って男だから・・・注目浴びるのは困るのよ。」


「あ、そうなんだ・・・ごめんなさい。」







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