元気あげます!巴里編
ひかるは千裕の車で琴美の屋敷へと向かいました。
「ねぇ、これって本物の拳銃なの?」
「そんなわけないだろ。でも、うかつにさわるなよ。
いちおうそれ電気を帯びた弾は出るんだからな。」
「え・・・?」
「子どものおもちゃ用のビービー弾とスタンガンをかけあわせて俺が開発した、ビリビリ弾だから。
当たったら100ボルト以上のビリビリは体に伝わるからな。」
「もう・・・またそんなの。・・・あははは。
私、もう帰っちゃったとばかり思ってたよ。」
「おまえがすぐにベッドで寝れたら帰るつもりだったんだけどな・・・あれだっただろ。
帰るどころじゃなくて・・・。」
「ねぇ、どうしてそんなことわかる・・・あっ、また小型マイク?」
「プライバシーの侵害だっていうんだろ、だから、前のを改造して1時間限定で聞こえるマイクだって。」
「ひどぉ~い・・・。でも、おかげで助けにきてくれたんだよね。
今回は許すわ。」
「それでさ、頼みたいことがもうひとつあるんだけどな。」
「何ですか?」
「サマーバケーションにいっしょに俺の屋敷に帰ってほしい。
高田たちも待ってるしな。」
「はいっ。頼まれなくても帰りたいって思ってました。」
「じゃ、決まりな。
それと・・・もうわがままはゆるさね~からなっ!」
「えっ?
誰がわがままなんです?
なんか、千裕様・・・顔が恐いです。」
ひかるは久しぶりに自宅にもどって自分のベッドを見て驚きました。
カバー類がすべて新品になっていて、とてもセンスのいい花柄模様でした。
「これは・・・琴美さん。」
そして、枕カバーも同じ花柄で近くにお手製のポプリまで用意されていました。
「あれ、2つ?・・・何か書いてある。」
『ひかるはここにもどってくるんだ。C』
((chihiroのCだ・・・。))