元気あげます!巴里編
翌日、ひかるは早起きをして久しぶりに千裕に朝ご飯を作りました。
「無理しなくていいのに・・・。」
「無理じゃないもん。ポプリのお礼・・・もあるかな。」
「あ、俺もう出かけるわ・・・。いってきます。」
ひかるはクスッと笑いが出てしまいます。
「照れちゃったのかな。ほんとに千裕様は年のわりにかわいいんだから。
でも・・・やっぱり優しいことと、かまってくれないことは別物だよね。
どうしちゃったんだろう。
私・・・なんかすごい欲求不満なのかな。」
ひかるは工房に着くと早速ヴァレリーに夏休みの届け出をしました。
ヴァレリーは快く許可をくれました。
一方セルジュはというと
「ひかると少し休みがかぶったから、楽しめると思ったんだけどな・・・。
里帰りは必要だもんな。
それに、千裕とデートかな。なんか腹立つけど。」
「ごめんなさい。あっちのことはやっぱり気になること多いし、お父さんとお兄ちゃんとも過ごしたいし、会いたい人もいっぱいいてね・・・。
時間が足りないかもしれないの。
千裕様とデートできるかなぁ。」
「なんか浮かない顔してる?
千裕に何かされたの?」
「ううん・・・。どっちかというとその逆かな。
ユウヤさんとこから救出してくれたとこはかっこよかったんだけど、それから後はいつもとぜんぜん代わりなくて・・・。
うん、それであたりまえなのはわかってるんだけどね。」
「あははは。ひかるの方が千裕より大人だ。
女性として、欲求不満なんだな。」
「よっきゅう・・・ふまん!!!」
「あ、ごめんよ。傷ついた?
そうだなぁ・・・。そういうのもお互いが歩み寄るというか、言いださないと始まらないと思う。
俺がいうのも変だけどな、千裕は真面目な上に律儀だからな、ひかるに対して保護者気分が抜けないのでは?と思うよ。」
「保護者なんだ・・・。そうだよね。」