元気あげます!巴里編

浜田の家に着いて、ひかるは突然聞き覚えのある声を聞きました。


「おぃ、突然、女の子と帰るからはないだろう!
俺が行くと言ったら、留守番頼むの一言だったし、何て勝手なやつなんだ。って・・・

えっ・・・女の子って・・・。ひかるじゃないか。」



「え、セ・・・せるじゅさん・・・?」


「あれ、あれあれあれ・・・ひかるちゃん、こいつと知り合い?」


「捜す手間が省けたな。あれ・・・ひかる泣いてたのか?
まさか、おまえぇぇぇーーーー!」


「ち、ちがうって。俺の行ってた別荘でちょっといろいろとあってな、彼女はちょっと恋の痛手を負ってしまったのさ。
あそこに置いておくのはしのびないから、さらってきちゃった。
あ、ちゃんと電話はしといたから、誘拐じゃないぞ。」


「龍ちゃんには部屋を飛び出して走っていって交通事故に遭うところを助けてもらったの。」


「千裕と何かあったの?」


「ほぉ、セルってやけに詳しいんだね。
いたよ、その千裕って人。
うちの社員の女どもに取り囲まれてたし、そして管理人の女とラブラブシーンだったようだがな。」



「おまえ、三崎の社員だったのか?」


「あれ、言ってなかったっけ?でもなぁ、無骨なおまえがひかるちゃんとスラスラしゃべってる様子を見るなんて思わなかったぜ。」


「セルジュさんは私の通ってる洋菓子工房の兄弟子さんなんです。
いつもお世話になってばかりで・・・。」


「へぇ。じゃ、ひかるちゃんはパティシエになるの?」


「いえ、私はお菓子のお店をやりたくて・・・。でも、パティシエ目指そうかなぁ・・・なんて・・・。うっうう・・・」



「ひかる、これ食えよ。」


「あ、風船の絵のムース・・・。いただきます。
おいしいです。」


「リュウも食っていいぞ。この絵柄を考えたのはひかるで俺との共同作だ。」


「へぇ。おぉ、すっげぇうまい。
これも神様のお導きなのかねぇ。
こっちから声かけないと返事もしないセルが突然、こっちに来るっていうからどうしたのかと思ったら・・・スミにおけないお方だったわけね。」

< 75 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop