元気あげます!巴里編
「いいや、齢は関係ない。
君はけっこう周りがほっとかないタイプだと思うし、たくさんいるBFの中からゆっくり選べばいいんじゃないかな。」
「兄も帰って来てるかもしれないし、今夜はありがとう。龍ちゃん。」
「いえいえどういたしまして。」
ひかるが部屋の入口をあけると、岡村が千裕に抱きついてキスしていました。
「きゃっ!」
ひかるはびっくりして、別荘の入口から外に飛び出しました。
それに気づいた浜田はひかるを追いかけました。
信号のない交差点でトラックが左折してきて、動けないひかるを浜田は後ろから捕まえて力いっぱい引き下げました。
ひかるは後ろにひっくり返りましたが、頭は浜田の腕がクッションになってかすり傷ですみました。
「ひかるちゃん、やっぱり苦労してたんだね。
占いしてるとき、様子がおかしいみたいだったから気になってた。
あの人、お兄さんじゃないんでしょ?」
「うぅ・・・ああぁぁぁぁ」
浜田は別荘に電話を入れて、後日荷物は取りにもどるので、いったん帰宅することを伝えました。
そして、千裕宛にひかるが泣いているので、落ち着いたら帰ってもらうようにするとの伝言をしました。
別荘への電話を切った浜田は、今度は自宅に電話をしていました。
「さ、連絡は全部いれといたから、遠慮なくどうぞ。
あ、初対面の女性を襲ったりしないから、緊張しないで。
それとね、今、俺んちにフランスから友人が来てるんだ。
昔、留学してた頃の友人なんだけどさ、家を自由に使っていいってほったらかしてきたものだから、今頃慌てて片付けてると思う。
気にしないでやってね。」
「すみません、お友達の人にも迷惑かけてしまって・・・。」
ひかるはお友達という人がもしも、浜田の彼女だったら?と考えてしまいました。
「友達って男だよ。残念だけど・・・。あははは。
かなり偏屈なやつだからさ、ひかるちゃんは面食らってしまうかもしれないなぁ。
気にしないでね、何なら、ずっと壁だと思って無視しっぱなしでいいからさ。」
「でも・・・すみません。」