僕のキモチ...
「いえ。本当に
僕には無理です。
他の人に頼んでみては
どうですか?」
すると高橋さんは、
うるんだ瞳で
「頼める人が他にいないから
高橋くんに頼んでるのよ!お願い。」
お願い・・・。か。
その言葉をきくと胸の奥の
古傷がいたむ。
「わかりました。いいですよ。」
「ほんと!!
じゃぁ、今日の放課後
むかえにいくから教室で、
絶対まっててね。」
じゃぁねー。と手を振りながら
高橋さんは遠ざかっっていった。
はぁー。
どうして引き受けてしうまったんだ。
僕にできるわけないのに。
自分でもそれくらい自覚している
つもりだ。
弱い人間は、自分の意思で
物事を決めることができない。
相手の言われるままに行動して
相手の機嫌をつねにうかがう。
だが、これが弱い人間の
この社会で生きていける唯一の
すべなのであろう。