本日は雨天なり 【完】


レインは謎多い少年だった。


私が何を聞いても、何も答えてくれなかった。


そのかわり、レインの質問に私は毎回答えた。



「愛ハ何デ泣テタノ?」


「彼氏に振られちゃって‥」


「カレシ?」


「ボーイフレンドのコトね」


「アア」



そぅ言って納得した後、レインは片言で不器用ながらも日本語を並べて話してくれる。



「出会イアルカラ、別レアル」


「うん」


「出会ッタノハ運命、別レタノモ運命」


「うん」


「僕ト愛、出会ッタ
ダカラ必ズ別レアル」


「どぅして、そんな悲しいコト言うの?」


「愛、子供ダネ
必ズ別レ、アル」



レインはきっと‥


この時から、私たちがずっと一緒にいられないコトを知っていたんだ。


だから、あんなに切ない顔をしたんだ。
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