本日は雨天なり 【完】
次に会ったのは、また雨が降っている時。
レインは濡れたベンチに傘もささずに座っていた。
「レイン!?」
驚いた私は、レインに駆け寄って傘の中に入れてあげた。
「どぅしたの!?
びしょ濡れじゃない!!」
「愛‥」
「どぅしたの?」
「怖イヨ‥」
急に抱きしめてきたレインに驚いて、体を押そうとした。
ケド、できなかった。
だって‥ レインが泣いていたから。
静かに、声を殺して、私に抱き着きながら泣くレイン。
「レイン‥」
「‥っ‥‥‥」
「どぅしたの‥?」
気づけば、私もレインの体に腕を回していた。
まるで小さな子のように、レインはひたすら泣いていた。
レインは、もぅわかっていたんだよね?
「愛、アリガトウ」
ひたすら泣いた後、レインは私から離れお礼を言った。
「ううん、大丈夫」
「マタネ」
「待って!!」
― なんで泣いてたの?
喉まできてる言葉が声にならない。
聞きたいのに‥
まるで体が拒否反応を見せるように、声が出なかった。
「ううん
何でもないよ、またね」
「ウン、マタネ愛」
そぅして、また約束をして別れた。