陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「遅くなりました。お呼びでしょうか?」

襖を少しだけ開けて、小十郎はその場に座り、部屋の中の主に声をかけた。

「遅い」

その声と同時に、襖が開く。開けたのは、着物が乱れたままの政宗だった。

「申し訳ございません」

深々と頭を下げる小十郎。政宗は、奥の部屋で裸ですうすうと寝息をたてている愛姫をチラリとみやり、部屋を出た。

「愛姫のところにはきたし、すべきこともした」

政宗の言葉に、小十郎の頭が微かに上がる。

「お前がなんと言おうと、俺は行く。いいな?」

有無を言わさぬといった口調で、政宗は小十郎に言い放つ。

「玲子はちゃんと諦めた。一国の主として、愛姫を嫁とり、子作りもしている。ここまでしてんだ。たまには俺の我を通したっていいだろ?」


小さく唇の端をつり上げる政宗。小十郎は唇を小さく噛んだ。

「…幸姫は」

「玲子の代わりじゃねぇ。わかってるって言ってんだろ。確かに容姿は似ているが、中身は似ても似つかん」

小十郎が喋るのを遮って政宗は答える。



「あいつは俺のもんだ。誰にもやらねぇ」



くくっと小さく笑うと、政宗は部屋を後にした。
小十郎は大きなため息をつくと、その後に続いた。



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