陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「断ったはずではなかったのですか?」

低く、怒りの混じった声で小十郎は聞いた。

「あぁ?家康直々のご指名とあらば、向かうしかねぇだろ」

くくっと楽しげに笑う政宗を、小十郎は睨み付けた。政宗は気にすることなく、いそいそと身支度をする。

「…あなたはもう、あなたひとりのものではないということ、忘れなさるな」

小十郎の言葉に、政宗は小さくため息をついた。

「わかってる、そんなこと」

しゅっと衣のすれる音がした。
正装に身を包んだ政宗の姿は相変わらず息をのむほどに美しい。

「たかだか茶会にいくだけだ。問題ない」

「茶会の開かれる場所が、あそこだから行くのでしょうが」

諦めの混じった声で小十郎が小さく唸った。



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