陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜
「おい」

突然、耳元で低く甘い声がした。

「ひゃぃ!?」

驚いてガバッと顔を上げた。

「急にどうした…」

その言葉に、幸姫は恐る恐る顔を声のする方へと向けた。

そこには案の定、綺麗な顔がすぐそばにあった。

「な、なんでここに」

顔をひきつらせながら聞くと、政宗は事も無げに答えた。

「追いかけたからに決まってんだろ」

言われて幸姫は乾いた笑いをもらした。

「なせ逃げた」

「へ?」

すいっと政宗が、幸姫に覆い被さるようにして、顔を近づけてくる。

「いや、あの…」

「何故だ」

政宗が近づけてくるぶん、幸姫は後ろへ後ろへと逃げる。

「別に逃げた訳じゃ」

「じゃあなんだ」

トンッと部屋の隅っこまで到着してしまい、幸姫は逃げ場を失う。

「あ、あはは…」

さすがに小十郎の言いつけを守らずに、政宗に会ってしまったからと言うわけにもいかず、幸姫は苦笑いを浮かべた。


だ、誰か…
誰か助けてぇー!



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