あの音をもう1度
あのあと『家にいいものがある』と誘われた。
もちろん、一応男と女だし(変人だし)断ったんだけど…
『大丈夫だよ。絶対に奏ちゃんが嫌がることはしない。
約束する。
なんなら楽を呼んでもいいよ』
と自信満々に言うのでついてきた。
「それにしても、すごい数ですね~」
バルトニアさんの家の部屋の壁全面には、楽譜が並べられていた。
しかも天井まであって、見ているだけで首が痛い。
「えっと、ボランティアコンサートの曲だよね?
それだったら、これと…
あと、これとこれはどうかな?」