あの音をもう1度
「・・・涼太くんが鈴宮音楽グループのご子息だってことは?」
「知ってます…」
バルトニアさんは優しく微笑んだ。
「鈴宮音楽グループは最早日本だけでなく世界的にも有名になりつつある大企業。
涼太くんはその後継者。
ゆくゆくは日本の音楽業界そのものを背負う男になるだろう」
そ、そんなにすごいんだ・・・
「しかも学校に通いながらも仕事を手伝うという優秀さ。
音楽業界全体が彼を注目しているんだよ」
「えっ…。涼太、仕事の手伝いもしているんですか?」
「知らなかったの?高校生になってからは少しずつ本格的にし始めたらしいけど」