あの音をもう1度


名前を呼ばれた瞬間、手を引っ張られたと思った時には…

涼太の腕の中にいた。





「りょ・・・」


「好きだ!」




っ…!





「ずっと、あの時から…」




涼太・・・



--どうしよう。



嬉しすぎる。


嬉しくて涙が止まらない。


あんなに拒絶されていたのに、今は抱きしめてくれている。


いまだに信じられない。


でも、この暖かさが現実だと教えてくれる。





「奏・・・」


そっと頬が手のひらに包まれた。





「ひどいこと言ってごめんな」



「そ、そんなこと…」


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