あの音をもう1度


「俺、かっこわりーな」



えっ・・・





「バルトニアさん相手にムキになって。
俺に隠れて2人が会ってたって思ったら冷静じゃいられなかった。情けないな、俺」



その言葉にキュンとしてしまった。



そんな風に思ってくれてたんだ。



--いや、涼太は私のことをいつも考えてくれていた。


私の心の叫びを聞きとり、またこの場に戻してくれた。


いつも練習につきあってくれた。




いつも--…私の傍にいてくれた。






「奏・・・?」



気付いてた時には、涼太を抱きしめていた。





「かな・・・」


「情けなくない…!」



かっこわるくもない。


涼太は・・・涼太は…っ!


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