あの音をもう1度


「バカっ・・・」



だから来ないでって言ったのに…




会ってしまったら

声を聞いてしまったら



行きたくないっていう気持ちが涙として溢れだしてしまうのに--





「ん…っ」



スッと額を持ちあげられたと思ったら、そっとキスされた。



でも、それは触れるだけの優しく慰めるようなキス。






「りょ・・た…」



「あと忘れ物がな」



忘れ物?



わかってない私の左手をとった。





「っ…!これ・・・!!」



そっと指に通されたもの。



それは・・・





「ピンキーリング。やっぱ心配だからさ」



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