あの音をもう1度


それは決して派手ではないけどキラキラしていた。






「本当はここでもよかったんだけど、それはちゃんとしたときにな」


そう笑いながら何もつけていない薬指をなぞる。




まったく。ホント・・・





「…キザ」


「は?」


「でも、かっこいいね」




こんなありきたりなセリフでさえ、かっこよく感じる私はやっぱり涼太に溺れているんだなと感じる。






“12時30分発~・・・”





――…そして別れの時。





「じゃ・・・行くね」



「あぁ…」



涙を拭った。






別れだけど、永遠じゃない。



お互いの未来のために、夢のために








「いってきます!」







前へ進もう---…












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