あの音をもう1度
繊細な音で“天才”とまで言われたが結婚を機に引退していて

今は子供達にヴァイオリンを教えている。



毎日のほほ~んとしていて少し天然なので少し信じられないけど…




「ただいま、お母さん」



「楽。そんなに心配しなくても奏はもう高校生よ」


お母さんはクスクス笑ってる。



ほんと…お母さんの言うとおりだよι




「だから心配なんだよ!最近は物騒だしさ」



楽兄はさっきから離れようとしない。



「楽兄…。いつまで私を玄関に居させるの?」



帰ってきてから今まで玄関で立ちっぱなしι




「あ、悪ぃ、悪ぃ。中に入れよ」



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