赤い糸は意外な所に・・・
涼たちは雷次たちのおかげで大和までの道を知ることが出来た。しかし少し不安だったので無理を言って途中までついてきてもらうことにした。

「悪いなあ。雷次はん、仙はん。やはり近いゆうてもはじめてやし。」

「いや、別にかまわんが。そういえば朝弥は陰間なのか?」

「うん。もとはな。」

そう言って朝弥は涼たちに話したような内容を話した。

「・・・なるほど。ってことは朝弥は実の親の顔は知らないのか。」

「うん。でも、手掛かりはあるんやけど。」

そう言うと、朝弥は懐から小さな袋を取り出し、その中身を手に出して見せた。掌にあるのは親指の爪より一回りほど大きい白い勾玉だった。雷次はそれを見たとたん、少し表情を変えたが、すぐに元に戻した。涼たちはそれに気づかず楽しそうに話をしていた。


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