飴色蝶 *Ⅰ*
「わかった
 私が彼女の傍にいるから
 貴方は心配しないで」

「ありがとう
 お前を巻き込んで、ごめん
 俺が戻るまでの間
 シュリを頼む」

彼女の事を心配する彼の瞳に
私が映る。

胸が苦しいよ。

部屋を出て行く彼の背中・・・

目には見えない重荷を
背負っている。
  
心の中、私は問いかけた。
  
ねえ、イオリ・・・

貴方は、これから・・・

何処へ向かって行くの?
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