飴色蝶 *Ⅰ*
「ほんま一代目によう
 似てるわ
 
 かっこええわぁ
 なぁ、あんた」

「ほんま、生きうつしやなぁ
 一代目には、えらいお世話に
 なって
 なんか困った事があったら
 いつでも、言うておいでや」

「ありがとうございます」

一夜と交流があり、先代とも
兄弟の盃を交わしている組長方
がたくさん、祝宴の為に
遠方から出て来てくれていた。

「イオリ
 お前に逢わせたい人がいる」 

先代、正二の隣に、背の高い
綺麗な女性が立つ。
 
見るからに、お金に困った事
など無い、お嬢様という風貌で
庵を見つめて笑った。

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