飴色蝶 *Ⅰ*

愛の言葉

あの後、彼、幹生(ミキオ)
さんは、私に、こう言った。

「イオリの彼女だったとは・・
 アイツが女の事であんなに
 真剣になるところ
 初めて見たよ
 
 いつも、連れてる女は違うし
 そこに、愛なんて微塵も
 感じなかった
 
 ただ、言い寄って来る女を
 拒まずに食うって感じで・・

 あっごめん
 ・・・・・・
 
 君を見つめるアイツの瞳
 すごく真剣で

 君の事、大切なんだろうな
 って思ったよ」

タクシーに乗車する私を
見送る三人。

「スミレちゃん、またね」

私は、更紗の彼氏に頭を下げた

「イオリに伝えてくれよ
 昔の番号と、変わって
 ないから

 俺のところにも、必ず
 電話くれって
 また、イオリも交えて飲もう
 
 じゃあ」

笑う幹生の隣で、更紗は
不安げに私を見つめた。
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