飴色蝶 *Ⅰ*
彼の言葉に嘘は無い・・・

「イオリ、私は
 
 ずっと貴方を見てる
 
 あなただけを」

ずっと、見続けていられると
そう思っていた。
  
私の不安な想いが・・・・・・

邪魔をする。

十六歳で貴方に恋をして

十七歳で貴方に振られた。

そして、二十三歳でやっと
貴方の愛を手に入れた。
 
「ねぇ、イオリは
 
 いつから私の事を
 
 好きだったの?」

彼は、聞こえないふりをする。

「ねぇ、聞かせて」

「また、今度な」

そう言って、彼は照れながら
微笑んだ。
< 269 / 488 >

この作品をシェア

pagetop