飴色蝶 *Ⅰ*
「イオリ先輩
 
 私が、昔と少しも
 変わって無いなんて
 そんなの嘘でしょう
 
 私はもう、昔の
 私じゃない
 
 恋に臆病だった
 真面目な私は
 どこにもいない・・

 愛が無くても
 愛してるふりができて
 
 愛が無くても
 口づけを交わして
     
 愛が無くても
 この身を委ねる事が
 できる
     
 五時間前に会った男に
 だって私は抱かれる」

庵先輩は、取り乱した
私を抱き寄せて

その胸に抱いてくれた。
    
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