飴色蝶 *Ⅰ*
幹生に寄り添い、目を閉じて
酔いを醒ましていた雪乃が
話し出す。

「昔、スミレを酔わせて持ち
 帰ろうとした男が、先に酔い
 潰れた事、あったよね?」

「あった、あった
 確か、私が捕まえた
 タクシーに乗って彼は
 一人、帰って行った」
 
笑い合う中、庵がボソっと
呟いた。 

「罪な女」

そう言って、庵は、右側の口角
だけを上げて微笑した。

夜は深まり、楽しい宴も終わる

深夜3時頃まで飲んでいた為
結局、私と庵は、雪乃の家に
泊めてもらう事にした。

雪乃は、二人の為に使って
いない部屋を貸してくれた。

その部屋には、シングルの
ベッドがひとつ置いてあるだけ
だった。

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