田舎姫と都会王子
〈ピンポーン〉


「は~い。今行きます。」


家のベルがなり、兄貴は玄関に行った。


「咲婆ちゃん。どうしたんですか?」


「トマトとキュウリが豊作だったからおすそ分けっちゃ。」


兄貴達の会話が聞こえて俺も玄関に行くとそこには背丈の小さい可愛らしいお婆さんがいた。


「ありがとうございます。いつも。」


「良いんじゃよ。おや?拓真くん、その子は誰っちゃ?」


咲婆ちゃんは俺の姿を見つけると、俺をジッと見た。
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