田舎姫と都会王子
「要、いたのか。いたなら声くらいかけろよ。咲婆ちゃん、俺の弟です。」


「拓真くんの弟。あらあら格好いいっちゃね。わしの旦那の若い時にそっくりっちゃ。」


咲婆ちゃんそう言って、俺に微笑んできた。


「咲婆ちゃん、お茶でも飲んでいきませんか?」


「ありがとう拓真くん。じゃが気持ちだけ有り難くもらっとくっちゃ。今から雪代さん家にもおすそ分けしに行くっちゃ。」


「そうですか。要、咲婆ちゃんを手伝ってあげろ。」


「はいよ。」


「おやおやありがとうっちゃ。」


俺は兄貴に言われ咲婆ちゃんと一緒に小梅ん家に向かった。
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