BABY×DOLL
'『私はこの景色が好きなんです──水面に月が映って、まるで月が双つあるようでしょう?

ほら…貴女は'そんなものあり得ない'と言ったけれど

あり得ないという事なんて、この世には無いと思いませんか?』



──振り返ると──
 凍えそうな程
  冷たく冴えた月

走っても走っても追いかけてくる…
そんな気がして怖かった。

まるで
私達を嘲笑うかのように───


闇の中に浮かぶ光の音

飲み込まれれば、きっと溺れてしまう

──『あの時』見た月とは違う


それでも私達は
この運命から



    逃
   走れ
   りた
   続く
   けて
   た
   │
   │'








──映画が終わり幕が降りてくる…

お客さんの拍手が聞こえる。
あたしの隣には虎之介が座って、一緒に映画を観ていた。

何も喋らずに…

話しをしたいとも思わない。

もう顔も見たくないし、同じ空間に居ることが苦痛を感じるよ…

仕事だからと割り切って平気な顔なんかできなかった。

悲しいよりもムカつく。

悔しいから涙が流れる。

絶対に映画のせいなんかじゃない。

こんな映画

無くなってほしいよ…
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