BABY×DOLL
翌朝。遠藤さんが病室に来て、部屋の有り様を見て驚いていた。

「セリカ…」

怒ってるとも、呆れてるともとれる言い方。

壁は携帯が当たった時に出来た穴があいてたし、バッグだって中身をぶちまけて散乱していたし

布団だって枕だって破れて床に転がっていた。

あたしはベッドにうずくまり、泣きながら眠れない朝を迎えていた。

「──仕事は?」

「行くわよ…」

「…決めたの?」

「決めたわ。スケジュール空けてね?早いうちに中絶の手術受けるから」

「わかったわ」

淡々と、恐ろしい言葉を口にしていた気がする。

だけど落ち着いて考えた所で結局は無理なんだ。

産んでもメリットがない…

産んで育てる気なんか毛頭ないのだから。だったら早く忘れる為に、早く子供が居なくなってほしいと思っていた。

この子に心臓が出来たって、魂が宿ったって、ちゃんとした人間なんだと思えない。

だから平気で殺そうと思える。
心配なのは

手術が痛いんじゃないかって、自分の心配ばかり。



遠藤さんと社長とで相談し、早々に手術の為にスケジュールをあけてくれた。

入院するまでの数日間。自分の気持ちが変わる事はなかった…。
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