BABY×DOLL
恋の終わりは、意外と簡単にやってきた。

たいして考える時間もなく、そう言った彼に絶望するのは容易かった。

もう嫌だ。
何も考えたくない。

これ以上、キズつきたくないよ…

「言われなくても堕ろすわよ!サヨナラ!」

そう言って電話を切った。スゴいムカついて持っていた携帯を壁に投げつけた。

大きな音を立てて壁に当たり、そのまま床に落ちて携帯は壊れた。

──今のあたしみたいだ…

どうしてこんな事に?

今となっては自分がどれくらい恋にのぼせていたか自覚できた。

もっと彼について考えれば良かった?

先に子供ができても結婚すればいい…なんて安易に考え過ぎてた?

順番は大事?

だからちゃんと避妊するべきだった?

世の中の恋愛が100%そうだとは思いたくない。だって、あたしは真実だと思ってたもん。

でも虎には彼女がいた。

知らなかったのが悔しい。

騙されてたのが悔しい。

総てがウソで終わってしまったのが悔しい…

    頭の中
  後悔だらけだ



暗闇の中で、あたしは独り泣くしかなかった。

何もかもが順調で、あたしの芸能生活みたいに順風満帆に思えた恋は

こんな風に幻で終わった…
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