【長】はるいろ
「チカさん、おはよう」
「あっ、悠夜くん、おはよ」
お姉ちゃんとは普通に挨拶をする悠夜さん。
あれ、さっきまで不機嫌だった気がするんだけど…。
あたしの気のせいかな。
「ハル、あんたは学校までの道分からないのに先に行かないの!」
「大丈夫だって!
もう子供じゃないんだから、一人で行ける」
今だに子供扱いしてくるお姉ちゃんが嫌で、先に家を出てきたんだった。
この分だとお姉ちゃんはあたしのことを学校まで送ってくるつもりだ。
どうしようー。
「じゃあ、俺が一緒に行きますよ」
横から会話に入ってきた悠夜さん。
「えっ、でも、悠夜くんに悪いじゃない」
「どうせ同じ学校だし、平気ですよ」
「……それじゃあ、お願いします」
「はい。分かりました」
悠夜さんの説得もあり、お姉ちゃんは部屋に戻っていった。
あたしは胸を撫で下ろし悠夜さんを見た。