【長】はるいろ
「悠夜先輩、ありがとうございます」
「…別に、チカさんが困ってるみたいだったし。」
あれ?
なんか、またさっきみたいになってるような。
「あの…悠夜先輩?」
「さっきから、悠夜先輩ってなに?」
「あっ、それは、お姉ちゃんに同じ学校って聞いて…」
ふ〜ん、ととくに興味なさそうにあたしから離れていく。
お姉ちゃんの時と、あきらかに態度が違いすぎる。
あたし、なんかしたかな…。
「おいっ、行くぞ」
「えっ?」
「だから、学校までの道分からないんだろ?」
…それってつまり
「あたしのこと、連れてってくれるんですか?」
「チカさんと約束したからな。」
しょうがなく。と、付け加えると、悠夜さんはスタスタと歩いていく。
あたしは、それについて行くように小走りする。
もしかして、悠夜さんって…
「お姉ちゃんのこと好きなんですか?」
「…………。」
思わず、心の中で思ったことを口に出してしまった。
悠夜さんはあたしのほうを見て、満面の笑み。
もしかして、言っちゃまずかったのかな。
「あっあのっ、…って、ちょっ」
なにも言わずあたしの手を持ち、さらにスピードを出しながら歩く。
なんだか、嫌な予感。