黒紅花
祖母はただ、私がまた
『同じ悲しみを背負わないか』

そう、心配して
見つめているだけの瞳が・・・

私には
『同じ過ちを、繰り返さないか』
と、疑う眼差しに見えた。

同じ過ち・・・

また問題を起す

馬鹿な娘(こ)・・・

真夜中に、父の怒鳴る声。

『お前は、いったい
 どういう躾をしたんだ』

『チトセが
 ああなったのは
 私のせいだとでも言うの

 貴方こそ・・・・・・』

ああなったのは・・・

ヒステリックな母の声。

私は、どうなったの?

『チトセ・・・』

私を見つめる母の瞳と
祖母の瞳が重なる。
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