黒紅花
「もういい、もう話さなくていい」

「話そうって言ったのはひさぎでしょう
 
 今度は、話さなくていいの?」

貴方の胸に頬をよせて、そう呟いた私を見つめる貴方。

「チトセ、俺が話そうと言ったのは
 これからのことだ

 これからの俺達のこと」

「だから、そんなもの私達には無い」

「勝手に決めるなよ!
 俺はお前と別れるつもりない」

「何言ってるの、ひさぎ

 私達別れたのよ」

「いい加減にしろよ」

ボソッと呟いた貴方の低い声。

「ひさぎ?」

「いい加減にしろって言ってんだよ
 勝手に消えたと思ったら、別れただぁ?

 何、人のことバカにしてんの?」

ひさぎ、違う、私は貴方のこと……

「バカにだなんて(してない)」
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