黒紅花
『触れ合うことはそんなにも大事?』


触れ合う事のできない愛、終わらせなきゃいけない。


「ひさぎ

 今までありがとう」


貴方に背を向けた私の瞳から流れ、落ちる涙。

この涙はいつか止まる。

この愛はいつか思い出になる。

私は一歩歩み、好きな人の傍から離れる。

好きな人……


『好きな人なら絶対に離れちゃダメだよ

 自分から愛を手放すなんて
 やっぱり良くないもん

 私は行けないけどママは行くべきだよ
 ……』


母に告げた言葉がふと私の頭を過ぎった。

私自身は愛を今手放そうとしてる。


仕方ない……

手の甲を強く瞼に押しつけて涙を拭う私に届く声、立ち止まる。

「本当だよな

 何言ってんだって話だよな?
 
 最初に壊したのは誰でもない
 この俺なのに守るだなんて
 笑うよな」
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