黒紅花
「だけど、何もお前が全部やることないよな
 ほんと悪い、そうだっ!
 
 今度の休みは俺が片付けるから
 お前はバイトが休みなら
 髪切りたいって言ってただろ?
 
 美容院にでも行って来たら……」

「いいよ、私も一緒に片付ける」

「遠慮することないぜ、せっかくだし…」

「いいの!
 
 遠慮なんてしてないよ
 私がひさぎと一緒に居たいの」

「そうか、じゃあ
 片付けには一切手出しするなよ!」

「はぁい、了解しました

 あっ、電話だ!

 服、ここに置くね」


着信を知らせる携帯電話を取るためにひさぎの傍を放れた、私。

ソファーの背もたれに私がポイッと投げたひさぎの着替えは、座っていたぬいぐるみの顔を覆う。

着替えを済ませてゆくひさぎは、息苦しいだろうとぬいぐるみを救い出して違う場所に置いてあげた。

お利口に座るぬいぐるみ、ひさぎはその頭を優しく撫でてあげる。
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