黒紅花
「そう、それ

 今度、時間がある時にな
 約束」

貴方は繋ぐ手を放し、今度は
小指だけを立て、私の小指に
さっと絡める。

指切りをするように・・・

でも、その指切りは
切られる事は無く
力を込めて絡み合う。

小指の付根に感じる感覚

それは、まるで
指輪をしているよう・・・

私の心は、すーっと軽くなる。

全てを失い、何も無かったのは
ひさぎに出会う前の私。

今の私じゃない・・・

今の私には、ひさぎ

大切な貴方がいる。
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