【実録】不登校からの脱出

新しい学習塾

その頃、ただ通信制高校に通うだけだった。
ところが経営破綻した学習塾で働いていた男性が新たな学習塾を立ち上げた。
数少ない「スクーリング組」だった一個下の男子からその話を聞いた両親は、私をその学習塾に入れた。

こじんまりした教室。
ここは殆どが「スクーリング組」だった。
顔なじみばからだったため、私は前の学習塾よりは勉強に身が入った。
それに先生二人が私を可愛がってくれた。
女子が一人だったのもあった。

ここの学習塾は授業以外が楽しかった。
もう時効だと思うが、賞金を賭けてトランプで遊んだりしていた。
先生が副業でやっていたお寿司屋でランチをご馳走になったりした。
学習塾というよりも、仲間と遊んでいた感じだった。

そして私は、最終学年になった。
相変わらず学習塾と自宅の往復だった。
ただレポート作成でいっぱいいっぱいだった。
小学生からの基礎が出来ていない分、受験には無理があったんだと思う。
目の前のレポート・目の前の卒業だけが目標だった。

でも受験をする事は「当たり前」になっていた。
やはり学歴社会だし、専門学校には興味のあるものが無かったのから…大学に行くしか頭に無かった。
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