堕天使の銃声


そう坂本に向けて言うと、苦しそうな表情を浮かべた坂本は、私を見据え、口を開いた。






「やっと戻りやがったか…

俺は別に… ついていかねェとは言ってねェ。



凛に… あいつについて行くのは嫌だった。

ただ、それだけだ…」





そういった坂本は、その場に倒れ、意識を失った。





「坂本!!」


「おい、しっかりしろ!」





野田と葛城が、坂本に歩み寄り、止血を始めた。



私はその様子をボーっと見ながら、頭の中で、さっき坂本が言っていた言葉の意味を考えていた。





「凛について行くのは嫌だった…?


凛“だから”ついて行くのは嫌だった?



そういうことなの?



なら、私にはついてくるの?



…あなたは何なの? 坂本先生…」




< 35 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop