DEAREST...
隠れた孤独
神様……
こんなに素敵な人と出会わせてくれて
ありがとう。

理都はこれから先どんなに辛いことがあっても、
あたしは前を向いて乗り越えられる気がするの。

今までずっと
誰かと一緒にいても
誰かと話していても
誰かと遊んでいても
結局はあたしは1人ぽっちなんだって思ってた。

彼、佑くんに出会うまでは…………


ねぇ神様…?
こんなあたしだけど
ずっと彼のそばにいてもいいのかな…?


「りっちゃんいつも泣かなくて強い子だねー」

「りっちゃんはいつも笑ってるから悩みなんてないでしょー」

「りっちゃんは笑ってなきゃりっちゃんらしくないよ!!」

あたしは周りから
こう言われながら育ってきた。

小さい頃から
泣き顔を見せたり
弱音を吐いたり
そんな姿は親にでさえ見せなかった。

苦しいなら苦しい
悲しいなら悲しい
痛いなら痛いって
素直な気持ちを言うことも
あたしはしなかった。

「皆が言うからあたしは強い子なんだ。だから泣いちゃダメなんだ」

「悩みなんかないって、いつも笑ってなきゃ」

いつの間にか自分でもう1人の自分を作ってた。

中学の時
「りっちゃんの笑顔見てたら元気出るよー」

友達からそう言われて
あたしは嬉しかった。

“あたしは何も間違ってない。あたしはこのまま強いあたしを見せて笑っていればいいんだ。”
そう思った。

でもそれは
部屋で1人でいるよりも
誰とも話さないでいるよりも

ずっとずっと孤独なことだった…。
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