魅惑★ladyの作り方



「そうか…
よく話してくれたな、辛かったろう」

『い、いえ、私こそ聞いてくれて有難うございました…』


華楠の頭を優しく撫で、落ち着かせると医院長は眼鏡を見てうん、と頷いた。



「これじゃ慣れるまで大変だっただろう。
ぼんやりとしか見えない」

『は、はい…
でも今はないと不安で、人の顔を見るのが怖くて…』

「…一種の依存性だな。
それとトラウマ。
眼鏡に関してはゆっくり馴らしていくか、何か強いきっかけがないと一生そのままだぞ?」


医院長が華楠に目をやると、華楠は少し瞳を潤ませて頷いた。


『はい…
駄目だとは思ってるんですが、やっぱり怖くて…』

「…俺はまだ怖いか?」

『えっ…
えっと、もうそんなに怖くないです…
素がこういう雰囲気だとわかるとその、今凄く優しくしてもらってるってわかるので…』

「っ!」


華楠がふんわりと笑うと、医院長は目を見開いた。


『…医院長さん?』

「あ、いや…
そんな事を言われたのは何年ぶりかと思ってな…」


少し頬を染め、照れ臭そうに視線を泳がせた医院長を見て華楠はにっこりと安心したように笑った。


 
 
< 141 / 212 >

この作品をシェア

pagetop