魅惑★ladyの作り方
「二人には、父親らしい事をしてやれなかったからな…
忙しいからといって未来にも近寄ろうとしなかった。
もう、嫌われているのは目に見えているから…
怖くて、な」
『そんな事…』
「今さら何もできないからな。
今の生活を不自由にだけはしないためにも、働く事しか脳がなくて…」
溝は深まるばかりだと、悲しそうに言う医院長に華楠は優しく笑いかけた。
『ちゃんと話してみて下さい。
意外と溝なんて浅いかもですよ?
少なくとも、私から見てると仲の良い親子です』
「…そう、か?」
『はい!』
「ふむぅ…」
華楠の隣で頭を抱える大きな大人。
普段なら怖がる華楠だが、その背中は優しい父親のもので…
理事長と同じように、華楠にとっては数少ない心の許せる人間へとなったのだった。