魅惑★ladyの作り方
『先輩が寝呆けてて、初めて聞いた声が…言葉が華楠だったんです。』
「…俺がか?」
『んぁッ!』
「ッ!」
華楠は半分立っていたところで、ちょうど耳元のすぐ近くで慧の声を聞きまた腰を抜かした。
慧も態勢を崩した華楠を支えようとしたのだがよろけてしまい、二人で後ろに倒れこんでしまった。
『いた…』
「…悪い…」
『あぁッ!』
華楠は耳に少し触れた唇に、耳に直接響いたその声にビクッと肩を震わせた。
すぐにハッとし口を抑えたが、慧にももちろん聞こえていた。
「…華楠の声は、いつもは凛々しく、強く聞こえるが本当は鈴のように細く、甘いのだな。」
『そっ…、んな事…。』
覆い被さるような慧の胸を押しつつ顔を背ける華楠。
慧はそんな華楠を楽しそうに見つめ、前に駅で聞き惚れた声と似てる…と呟いた。