ACcess -操-
クロファンのアイコンをクリックしてログインした。

こんなにたくさん人が居る場所に降り立ったが、誰にも会いたくない。

小さな矛盾。

とりあえず、名簿を見た。
何人かログインはしているようだが、タウンには居ない。
好都合だった。

しかしというべきか、アリスはタウンにいるようで、何故かそちらに足が向かう。


彼女の部屋の扉を叩き、合言葉を言う。

鍵の開く音がして、ドアノブを回して中に入った。

アリスは本を読んでいたようで、書物から顔を上げた。

彼女は突然の訪問に少し驚いていたようだが、優しく笑って手招きしてくれた。
「あら、珍しいお客さんね。
 …散らかってるけど、こっちに座ってちょうだい。」

ペッパーと同じようなカウンター席に座って、仕事か何かのデータや本を広げていた。

それをデータボックスの中に入れ、座れるようにスペースを開けてくれた。

よく考えればペッパーのより高級そうだし、横に広い。
まぁ、アリス様だからしかたないか。


アリスは席を立ち、シンプルな棚から飲み物を取り出した。
「何か飲む?」
「…いや、いいよ。」
そう、と言って何も取らずに席へ戻ってきた。
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