紅龍 ―1―
涼side
突然俺の目の前に現れた妹。
蘭が来る数十分前に急に親父から電話がきた。
電話の向こうの親父は普段聞かない低い声を出してて…
『…今から蘭をそっちに向かわせるから。リョウ、蘭を守ってあげてな?…―蘭には紅龍について酷い事をしてしまった…蘭のためとは言えな―…お前も少しは知っているんだろう?』
「俺はそんなに知らない。知っているのは蘭が紅龍を辞めた事と1年間、姿を消していた事だけだ。」
『ふーん…まっいいけどね。…―じゃあそれだけだから。』
「えっ、ちょっ親父?」
プープープー
そこで電話は切れた。
そん時は、蘭が来る!!!って事しか頭になかったけど今思えばおかしい。
親父のあの低い声。
蘭に何があったんだ?
「蘭―…。」
俺はあっちゃんの報告のもと蘭がいるであろう保健室に足を運んだ。